男の子が、店主さんのほうへ走っていく。
「もう火が通ったよ!」
そう言って、なにかを報告している。
そのあとも、動物の話をしたり、
カウンターの近くで、自由に過ごしている。
ときには怒られて、
ときには褒められて。
そのどちらも、ちゃんと受け取っているように見える。
カウンター席にひとり座って、
そんな様子を眺めながら、
かぼちゃのスープとワイン、ガレットをいただく。


店内には、
ご夫婦でゆったり過ごしている人たちもいる。
ぽつりぽつりと交わされる会話が、耳に入る。
「自分が意図せずとも、人の迷惑になっていることもあるよね。」
「ままは、合意形成が大事だと思っている。」
静かに流れる時間の中で、
それぞれの人生が、重なり合っている。
このお店は、どこかフランスの田舎町の古民家のようだった。
灯りは少し落とされていて、
クリーム色のカーテンと、やわらかく置かれた植物。

置かれている家具のひとつひとつに、
ちゃんと「こうしたい」という意図があるように感じる。
帰り際、
「いつもありがとうございます」と、
ご夫婦で送り出してくれた。
その姿に、
この場所に対しても、人に対しても、
誠実に向き合っていることが伝わってくる。
さっきの男の子は、
これから、このまちで大きくなっていくんだろう。
いまは大きな声で、
「ばあばきて!」と呼んでいるけれど、
いつか、少し恥ずかしそうに、
静かに挨拶をするようになるのかもしれない。
その変化を、
このまちは、ずっと見ていく。
わたしは、
このまちが育っていく風景を、見てみたいと思った。
不思議な感覚だった。

店舗情報
crêperie Caline
- 営業時間
平日|11:00〜21:00(L.O.20:00)
土日祝|9:30〜21:00(L.O.20:00) - 定休日
火曜・水曜 - 電話番号
090-8276-0654
来店前の注意
※こちらの記事は2026年4月時点の情報です。
最新の営業状況は、公式Instagramをご確認ください。
👉 Instagram(@creperie__caline)


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