サンポ屋は、何を伝えたいのか。

今朝、スマホが水没した。

洗い物をしていた炊飯器の内釜の中へ、ぼちゃんと。

なので電源を落として、乾燥剤と一緒に袋へ。

しかも今日は台風予報の夜。

早めに家へ帰ってきて、ごはんを食べて、本を読んで、お風呂に入って、片付けまで終えたのにまだ20時半だった。

というわけで、時間がありあまっているので、最近ずっと考えていることを書いてみようと思う。

日々、私のいちばんのテーマである「サンポ屋」のこれからについて。

気がつけば、サンポ屋を始めて5年くらいが経った。

この5年、本当にいろんなことを試してきた。

最初は「まち紹介」を前面に押し出していた。

駅ごとに、そのまちにあるスーパーやカフェなんかを紹介して、「ここ暮らしやすそうだな」と思ってもらえたらいいなぁと思っていた。

でも、そもそも駅そのものに興味がある人ってそんなに多くない。

だから今度は、お店から入るようになった。

素敵な喫茶店とかカフェを紹介して、その流れでまちの魅力も伝える。

これは結構反応が良かった。

保存数が何百件もつく投稿もあったし、フォロワーも増えた。

でも続けているうちに、なんだか違和感が出てきた。

「この店は人気だから反応が取れそう」

とか、

「このメニューならトップ画像にしたら映えるかも」

とか。

そんなことを考えるようになっていた。

もちろん、それも発信の技術なんだと思う。

でも私はだんだん、お店をコンテンツとして消費しているような感覚が強くなってしまった。

それが少し苦しくて。

だから今度は、お店紹介を減らして、写真日記みたいな投稿を始めた。

その日に思ったこととか、暮らしの中で考えたこととか。

これはすごく心地よかった。

でも今度は、サンポ屋というより私の日記になっていった。

友人たちは反応してくれる。

でも、「サンポ屋って何のメディアなんだろう?」という疑問も残った。

目的はずっと変わっていない。

「なんか好きなまちで暮らす人を増やしたい」

そのためにやっている。

じゃあ私は、本当は何を伝えたいんだろう。

最近考えていて出てきた言葉が、

「近所の個人店に通う文化を育てることで、なんか好きなまちで暮らす人を増やす」

だった。

私は、お店に行列を作りたいわけじゃない。

遠くからたくさん人を呼びたいわけでもない。

むしろ逆。

近所の人がふらっと来て、顔なじみになって、店主と話して、また来る。

そんな関係性が育つことの方が大事だと思っている。

だから、有名なスイーツとか話題のお店を「消費」するような紹介の仕方には、ずっとどこか違和感があった。

もちろん私もインスタで紹介しているから矛盾はあるんだけど。

それでも、愛のない人の波によって店主が疲弊したり、常連さんの居場所がなくなったりする未来は見たくない。

私が伝えたいのは、

「このお店行って!」

じゃなくて、

「あなたのまちにも、あなたに合うお店がきっとあるよ」

ということなんだと思う。

だから最近は、サンポ屋の形を少し変えてみようと思っている。

お店を主役にするんじゃなくて、

「近所の個人店に通う20代女性の暮らし」

を主役にしてみる。

朝起きて、ごはんを食べて、会社へ行く。

昼休みに喫茶店へ寄る。

夜は居酒屋で顔なじみの人と話す。

帰って本を読む。

そんな何気ない日常を、そのまま動画にしてみる。

今まではお店だけを切り取っていた。

でも本当に伝えたかったのは、そのお店があることで生まれる暮らしの方だったのかもしれない。

「この店が素敵」

じゃなくて、

「こういう暮らしが素敵」

を伝えたい。

サンポ屋を見た人が、

「良いお店を知れた」

じゃなくて、

「私もこんな暮らししてみたいな」

と思ってくれたらうれしい。

近所にお気に入りのお店があること。

歩いて行ける場所に居場所があること。

店主や常連さんと笑い合えること。

そういう手の届く範囲の幸福みたいなものを伝えていきたい。

最近、顔出しも少しずつ始めた。

前までは、「まち」が主役だから自分は出なくていいと思っていた。

でも今は少し考え方が変わった。

私自身の暮らしが、サンポ屋の伝えたい思想そのものだから。

サンポ屋は、おすすめのお店を紹介するメディアではないのかもしれない。

近所の個人店がある暮らしの豊かさを伝えるメディアなのかもしれない。

まだ断言はできないけれど。

5年間、遠回りしたようにも見える。

でも振り返ると、まち紹介も、お店紹介も、写真日記も、全部必要だった気がする。

だからまた、実験してみようと思う。

顔を出してみたり。

動画を撮ってみたり。

暮らしを発信してみたり。

今までと同じように、試行錯誤しながら。

あと、もうひとつやってみたいこともある。

それは、「好きなまちで暮らしている人」を取材すること。

どんなお店に通っているのか。

休日は何をしているのか。

なぜそのまちが好きなのか。

どんな景色に安心するのか。

そんな話を聞いてみたい。

もしかしたらサンポ屋の主役は、最初からまちでもお店でもなくて、「好きなまちで暮らしている人」だったのかもしれない。

これもまた実験。

どんな景色が見えてくるのか、自分でも楽しみにしている。

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